
これまで、
親、友達、経験者への相談についてお話ししてきました。
誰かに話を聞いてもらうことは、決して悪いことではありません。
一人で抱え込まず、誰かの力を借りることが必要な時もあります。
ただ、夫婦問題の相談相手として、
私がどうしてもおすすめしたくない相手がいます。
それは、
子どもです。
子どもを味方にしたくなる気持ち
夫婦関係がうまくいかなくなると、
家の中に、自分の気持ちを分かってくれる人が欲しくなることがあります。
特に子どもがある程度大きくなっていると、
「もう分かる年齢だから」
「この子なら私の気持ちを分かってくれるから」
と、夫婦のことを話したくなることもあると思います。
「お父さん、ひどいと思わない?」
「お母さんの言ってること、おかしいよね?」
そんなふうに、つい子どもに聞きたくなることもあるかもしれません。
苦しい時に、誰かに自分の味方でいてほしい。
その気持ちは分かります。
だから、そうしてしまった親御さんを責めたいわけではありません。
でも私は、これまで夫婦問題・離婚相談に携わってきた中で、
子どもを夫婦問題の相談相手にすることだけは、できるだけ避けてほしい
と思っています。
子どもにとっては、どちらも大切な親です
夫婦にとっては、
「夫」と「妻」です。
でも、子どもにとっては、
「お父さん」と「お母さん」です。
夫婦の間では、
怒りがあったり、
許せないことがあったり、
もう顔も見たくないと思うことがあるかもしれません。
それでも子どもにとっては、
どちらも大切な親であることがあります。
そんな子どもに、
「お父さんが悪いよね?」
「お母さんのせいだと思わない?」
と聞くことは、
子どもに、
「どちらかを選んで」
と迫ることになってしまう場合があります。
お母さんの味方をすれば、お父さんを裏切るような気がする。
お父さんの味方をすれば、お母さんを傷つけるような気がする。
どちらも大切だからこそ、
子どもは、とても苦しい立場になることがあります。
子どもが「親を支える側」になってしまうことがあります
そして、もう一つ気をつけてほしいことがあります。
親が苦しんでいる姿を見て、
子どもが、
「私がお母さんを守らなきゃ」
「僕がお父さんを支えなきゃ」
と思うことがあります。
本当は自分も不安なのに、
親を心配させないように明るく振る舞ったり。
自分の気持ちを言わずに、
親の話をずっと聞いていたり。
子どもが、いつの間にか
親を支える役割
を引き受けてしまうことがあります。
だから私は、
子どもが中学生でも、高校生でも、
そして、たとえ成人していたとしても、
「どうしたらいいと思う?」
「離婚した方がいいと思う?」
と、
夫婦の未来を子どもに決めてもらうような相談はしないでほしい
と思っています。
「もう離婚して」と子どもに言わせないために
これまでご相談を受ける中で、
子どもから、
「お願いだから、もう離婚して」
と言われたというお話を聞くことがあります。
その言葉を聞いて、
「子どもも離婚を望んでいるんだ」
と思うこともあるかもしれません。
でも私は、その言葉を聞くと、
その子はそこまで言わなければならないほど、
夫婦の問題の中で苦しんできたのかもしれない
と思います。
子どもに、
「お父さんとお母さんは離婚した方がいい」
という答えを出させるところまで、
夫婦の問題を背負わせないでほしいのです。
離婚することになったら、子どもには「相談」ではなく「伝える」
もちろん、夫婦問題について、
子どもに何も話してはいけないということではありません。
離婚することになれば、
子どもの生活も変わることがあります。
きちんと話す必要があります。
でも、その時は、
子どもに相談して決めてもらうのではなく、親が決めたことを伝える。
私は、その違いがとても大切だと思っています。
「お父さんとお母さんは、離婚することになったよ」
「悲しい思いをさせていたら、ごめんね」
そして何より、
「あなたは何も悪くないよ」
「お父さんもお母さんも、あなたのことを大切に思っているよ」
ということを、伝えてあげてほしいと思います。
夫婦が別れることと、
親子であることは、
同じではありません。
子どもではなく、大人に助けを求めてください
夫婦問題を一人で抱えるのは、本当に苦しいことです。
だから、
誰にも話さずに我慢してください、
ということではありません。
親でも、友達でも、
信頼できる人でも、
専門家でもいい。
大人の力を借りてください。
子どもは、
お父さんやお母さんの人生を決めるためにいるわけではありません。
夫婦の問題を解決するために生まれてきたわけでもありません。
子どもには、
子どもの人生があります。
だからこそ、
夫婦の問題は、大人の間で考える。
そして、
子どもが安心して自分の人生を生きられる場所を、
できるだけ大人が守ってあげてほしいと思っています。
次回は、このシリーズの最後。
「相談相手を選ぶ、本当の理由。」
についてお話しします。